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入試頻出書き換え問題の難問にチャレンジしよう!

too~to…構文とso~that…構文の書き換え問題は高校入試頻出で、これを知らない受験生はさすがにいないというほど有名なパターンですね。今回は、そのパターンの中でもかなり難しいレベルの問題を紹介します。

【 設問 】

The books were too difficult for us to read. (書きかえなさい)

 

The books were (   ) difficult (   ) (   ) (   ) (   ) (   ) read (   ).

英語の難問に悩む少年のイメージイラスト

【 前提知識その1 】

たとえば、「彼はとても疲れているので歩けない。」を英語に直すと、

 

①He is too tired to walk.

②He is so tired that he can't walk.

 

というふうに2通りに書き表せます。

 

気をつけなければいけないのは、上記下線部です。①の場合、to の後ろは常に動詞の原形を置くのに対して、②の場合、that の後ろは完全文(主語+(助)動詞のあるちゃんとした文)にしなければいけないことです。

 

また、過去形のときは、

 

①He was too tired to walk.

②He was so tired that he couldn't walk.

 

というふうに、can ではなく could を用いることを忘れないようにしましょう(受験生の約半数がこれを忘れます)。

【 前提知識その2 】

①It is easy to read the book. (その本を読むことは簡単だ。)

②It is easy for me to read the book. (私がその本を読むことは簡単だ。)

 

上記②の文の for me は、いわゆる「不定詞の意味上の主語」と呼ばれるもので、直後の to read の動作主を明示する働きを持っています。つまりこの場合、「私が読むんだよ」ということを読者にお知らせしているわけです。

 

この「不定詞の意味上の主語」というテクニックは、不定詞なら他の用法でも広く使われます。

 

①something to eat (食べるための何か→何か食べ物)

②somthing for him to read (彼が食べるための何か→彼の食べ物)

 

上記②では、「彼が食べるんだよ」ということを読者にお知らせしています。

【 前提知識その3】

①He is too poor to buy the book.

②The book is too expensive for him to buy ( it ).

③The book is so expensive that he can't buy it.

 

まず、②の文に注目してください。for him は不定詞の意味上の主語で、「彼が買うんだよ」とお知らせしています。最後の it は主語の the book と同一物なので、省略しても意味が通じるため省略できます。

 

①の場合は、主語の he と最後の the book は同一物ではないので省略したら意味が通じないのでもちろん省略不可です。

 

ところが、③の文では、主語の the book と最後の it は同一物なので省略しても意味は通じそうですが、省略できません。その理由は、that の後ろは完全文と決まっているので目的語を勝手に省略できないからです。 

【 設問の解説 】

The books were too difficult for us to read. (書きかえなさい)

 

The books were (   ) difficult (   ) (   ) (   ) (   ) (   ) read (   ).

さて、いよいよ設問の解説です。

 

The books were ( so ) difficult ( that ) …

 

までは大丈夫ですよね。

 

問題は that の後ろですが、ここからは完全文にしなければいけないので、まず、主語が必要です。この点、元の文を見ると不定詞の意味上の主語として for us とあるので、we を主語にすればよいと気づきましょう。そうすると、

 

The books were ( so ) difficult ( that ) ( we ) …

 

となります。

 

問題はさらにその後ろですが、(  )が余りそうで困りますよね。こういうときは、「can ≒ be able to 」を思い出してください。そうすると、

 

The books were ( so ) difficult ( that ) ( we ) ( weren't ) ( able ) ( to ) read …

 

とすればよいわけです。

 

あとは、that の後ろは完全文なので最後の ( )に目的語を入れればよいわけですが、ここで慌てて it を入れてしまうのは典型的な受験生病です。この文の主語は the books と複数形なので、it ではなく them にしなければいけません。

 

結局正解は、

 

The books were ( so ) difficult ( that ) ( we ) ( weren't ) ( able ) ( to ) read ( them ).

 

となります。

 

いかがでしたか。最初に難問だと言いましたが、実は、一つ一つの知識は基本的なものでしかなく、ただそれがいっぺんに登場するのでうっかり間違えてしまう、という問題なんです。私の働く予備校でもこのような問題を出題すると、正答率はほぼ0%なんです。解けなかった人は、別に落ち込む必要はありませんが、「何事も基本が大事」ということを肝に銘じて頑張ってください。